Monday, February 05, 2007

Mathilde Monierの新作リハーサル

以下昨日書いたメモ

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新作だからたくさんのことを書くことは出来ないけど、一言でいって、ノックアウトされた。すごい。本当に凄い。
webサイトにあるとおり、今回の作品のテーマは「ユニゾン」。かといって、それは決してダンスにあるそれだけをさすわけじゃない。そこにある政治性、つまり個人(わたし)と、他者=(->)社会(集団)とのダイナミックな関係性。あるいは、それが示してきた具体的な歴史における幾つかの風景が、しばしばステージ上に顔を出す。抽象的な概念から、具体的な何かまで、凄まじいスピードで展開し、ただこの「ユニゾン」というテーマから離れたり近づいたり。その広大さ=アーテイストとしてのマチルダのすごさ。
例えばピナやケースマイケル、フォーサイスがとうに失ってしまった、アーティストとしての「まっとうさ」が彼女にはぶれること無くその底に姿を現している。それは並大抵の人間の出来ることではない。
政治を語るからそのアーティストが政治的だというわけではない。政治は私たちの生活においていつもあり得る出来事であり、そこに眼を向けられるアーティスとこそ、政治的なアーティストと考えられるだろう(「ここ」に政治があるのだ。)。リハーサルにおいて努めて深刻にならず明るく(そしてもちろん気丈に)振る舞うMathildeに、「作品の中身もそうですが、この状況(situation)もとても素晴らしいと思います。(必要以上に)深刻になったら、作品も深刻になってしまうと私は思います。(If the situation is quiet serious, the piece is also gonna be serious. It is relative.)」と伝えると「そうよ。その通りよ。私には、こういう雰囲気が必要なのよ。ダンサーたちにとってもね。そうでなければ軍隊みたいになってしまう。」とさらりと答えてくれた。
18才のときにフィリップに会い、24才でMathildeに会い。会うべき人に会えたことを、本当に幸いに思う。

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