Saturday, August 22, 2009

休暇

火曜日にポルトへ無事たどりつく。
限界まで疲れていて、未だ復活のためにヨロヨロしているところ。まず最初はひどいdepressionからで、部屋からなかなかでれず、それから少しずつご飯をつくったり、コーヒーをのみにいったりしてバランスを少しずつ少しずつ整えていく。これは時間がかかる…。とにかく焦らず、ゆっくり出来ることからやっていくしかない。

Miramarにいったらビュービュー風邪がふいていて波がたかく、泳ぐどころか寒いので、ビーチ沿いのカフェでコーヒーのんで帰る。でもキレイだった。

考えてみれば6月のポルトのフェスティバルから(合間合間にチョコチョコ休みはあったけど)ずーっと気を張りっぱなしだった。特に最初のMontemor-o-Novoのグループレジデンスがきつく、無理矢理アイディアをひねりだしつづけ、続いてルーマニア、今月モンテモーロにつけばもう出ないというところをさらに力任せにもうひとひねりで、まるでひからびた干物である。なんだかんだとapplicationもいっぱい書いたしたなー。これから9月にむけて3つ大事なのがまたある。あふ。

時間をつくってRosellee Gordbergの「Performance Art」を読んでいる。とても勉強になるし、現在のダンスやPerformance Artの状況と歴史を比べて色々に思うことができる。

来年のこともそろそろ考えないと。

Sunday, August 16, 2009

ペタンク

今日は一日本当に何もできなかったので、これはあかんと夜になって重い腰をあげたら、なぜか知り合いが庭でペタンクを始めている。「やる?」といわれるから「やらない」ともいえずついつい。あとからまた別の友達が二人加わり、おだやかな土曜日の夜となる。
色々つっこみどころはあるが、しかしこれこそポルトガルに暮らす意味だ。

Friday, August 14, 2009

And life goes on

二週目になってようやく振り付けやテキストが見えてきた感じがする。
これほど「産みの苦しみ」を感じながらのクリエイションは久々、あるいは初めてかもしれない。
端的にいうとモチベーションがあがらない。身体も心も「休まなきゃ」といっているのがわかる。
しかし時間もリソースも限られるのでここで出来るところまではやらなくてはいけない。
プレッシャーをつくるために、一応月曜日にinformal showingをつくってもらう。やっぱり怒られないと。

9月10月にポルトで予定していた仕事がパーになるかどうかというところで、はてこれからどう生きていくかと思案していたら九月に一件小さな仕事が飛び込んでくる。日程的に予算が余ったから呼ぶかという感じか。ギャラも安いがまあ家賃にはなるのでメールが来て10分くらいですぐ返事を返す。有り難や。

今年はアーティスト一本でなんとか頑張り始めた一年目であるけど、それなりにここまで成果をよくあげてきたと思う。
お金はともかく、ペーパー上の経験値はぐっとあがった。
今が辛抱。

でも来週はポルトのビーチでぐだーっとしよう。:) どうせ泳げないし。

Thursday, August 13, 2009

dontdiemyfriendtommy / Mandala Performance Festival in Wroclaw

Some parts of the piece "dontdiemyfriendtommy" is including in this promotional video of the festival.


video

Sunday, August 09, 2009

つばめ

Montemor-o-Novoにきてよかったと思う。驚くほどにここでは一人で、一日中殆ど誰とも会わないが、今まさにそれが必要だと感じる。
時間がある。

夜、トイレ(半屋外)にいくと、鳥の声がする。見上げるとつばめの家族(5羽)が屋根で寝ている。つばめというのは単独で飛んでいるところしかみたことしかなかったので、なるほど夜はちゃんと群れるのかとおどろく。寝ているさまはピクリとも動かず。
この元修道院の建物には、そのほかズタボロの犬が二匹(今日キッチンになま肉を五分ほど放置してライターを探しにいったらもう彼らに食われていた)、それに鳩の群れ、数百羽はいるとも思われる雀の群れも寝ている。

そして空はアホみたいに青い。

カフェにいってBifanaを食べてたら地元のおじさんたちに話しかけられる。「中国人がこんなところにナンタラコウタラ」と意味不明なことを言われるのでとりあえず「まず俺は日本人だ。」といって適当に逃げる。アア ポルトガル語がもっと喋れたらなぁ、九月からまた本腰で勉強しようと思う。

この元修道院にはちゃんとインターネットがあるので、色々ネットで見る。岡田斗司夫が高橋しんの「最終兵器彼女」を解説しているやや昔の映像があって、大学の授業のように面白く聞く。「これはエヴァンゲリオン以降の漫画で、個人の恋愛と戦争という両極端の事象が描かれながら、国家や民族というその中間が全く描かれていない」という指摘は極めて興味深かった。例えばそれはヨーロッパでもエコロジーなどといった「大きな名前」をもった事象が簡単に支持されながら、路傍のホームレスを人々が無視して通り過ぎている姿に重なる。同じ漫画を引き合いに出せば、吾妻ひでおの「失踪日記」はテクニカルにそうした状況、現在社会にいる多くの人々の目線の高さにあわせながら(具体的には受け入れられ易い絵柄を保ちつつ)、現実の社会問題に読者をうまく誘導できているように感じる。では自分に同じことができるのか?これが大きな課題である。

Friday, August 07, 2009

冷夏

朝寒くて目覚める。どう考えても今年は冷夏だ。
もっと灼熱の大地を覚悟してAlentejoまできたのだから、これは嬉しい誤算だ。

けれども午後市民プールにいくも(17時以降に入ると1.20Eurosになる)、水から出たときずいぶん寒い。

水泳は中学を卒業してからまったくやっていないので、はずかしながらほとんど泳げない。
クロールも、平泳ぎも、背泳ぎもまるで忘れていて、なんだかしっくりこない。
ともあれぼんやり水につかっているだけでも楽しい。まわりは夏休みの子供ばかり。

Thursday, August 06, 2009

雑記

疲れると、ネットにもものをあまり書かなくなる。現実世界でも口数がへり、あまり人と会話したくなる。
そんなときにこのMontemor-o-Novoの完全ほったらかし二週間レジデンシーは最高の環境である。

ともあれ、忘れないように色々書いておこう。

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ルーマニアのレジデンシー(Jardin d' Europe Romania)はなんとか無事おわる。

結局困ったのはオーガニゼーション。最初の週にプロジェクターが必要だから来週もってきて、といい、向こうが特に「No.」ともいわないのでくるだろうと思っていたらこない。二週目の始めに「機材がないと進められない、困る、水曜までにもってきてくれ」といって到着したのが日曜日、つまり二週目の最後。それも「新しいプロジェクターだからちゃんと扱ってくれないと困る。テクニシャンがいないところで使わないでくれ」というので、さすがに「これはshowじゃなくてリサーチなんだから、機材使えなくちゃ何も出来ない」というと、渋々まかされる。簡単にいうと、アーティストにとって何が必要で大事か、そういう視点がない。

(用意できないなら、さっさとNoといってくれればそれでプランの変更はできるが、言わない限りオーガニゼーションがもってくる可能性があるのだから、こっち側にもつかわないといけないという責任が発生する。しかしながら使うのはリサーチで、実際に写真や音を集め動画を編集する作業は極めて機材(空間を構成する要素)に依存するのだから、到着がおくれると、こちらは作業時間を無理矢理圧縮して、「なんとかそれらしいもの」をとりあえず作ることになってしまう。これがクォリティーを追求したいアーティストにとってどれだけのフラストレーションとなることか…。)

つまり簡単にいえばオーガニゼーションの経験不足。一緒にいたポルトガル人アーティストにいわせれば、「だから僕らが教育していかなければならいんだよ」ということ。まるでそうだが、三週間もこうした機会に恵まれながら、ただイライラしてばかりで終わってしまったのは実に歯がゆい。

しかしプレゼンでの緑色の石を使った短いインプロはそこそこ印象もよく、これは新作にそのまま使うことになるだろう。

それから食事は極めてモチベーションをおとした。マンマリーガ(とうもろこしのペースト/Mămăligă)とサワークリームだけの夕食というのは、いってみれば日本の醤油かけご飯である。こんなのが週に二回も三回もやってくる。困る。

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CCBでの公演は無事終わる。ともかく日曜日、しかも夏休みで、観客が山のよう。家族連れだらけで子供がうじゃうじゃ。地面を這い回ったり、でっかい門によじのぼったり、カフェのいすをふりまわしたり、庭の噴水に石を投げたり、そういうことをするだけで、やっぱり皆よろこんでくれる。こういうことは簡単なことだけど「アーティストしかやらないこと」で、実際に見ると新鮮な驚きにかわる。

ただダンス的にはもうちょっとテクニカルにせめてよかったと反省。お客の多さに圧倒されて、少々あせってしまったとおもう。

今回のパフォーマンス、日本の状況に照らし合わせるなら、新国立劇場の屋外スペース(そんなのあったか?)でフランス人ダンサーが日曜日に無料インプロ・パフォーマンスといったら理解してもらえるか…。

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そして今Montemor-o-Novoでのレジデンス。今回はO Espaço de Tempo(お城)ではなく、Oficina de Convento(修道院)。
Visual Artistのコミュニティの施設で、2007年に彼らが主催するフェスティバルに呼んでもらってからの縁。

広いスタジオに、初日から必要な機材はすべてそろっている。「何か気をつけることはある?」とダイレクターに聞くと「君は必要十分気をつけているよ」と言われる。

以前も書いたが、僕はコンテンポラリーダンスにおけるマテリアルへのインスタントな姿勢があまり好きでなく、だからこそ、ここのアーティストがとても好きだ。木を彫り、土をこね、鉄を曲げて作品をつくっていく、そういう人々の真ん中にいると背中がシャンとまっすぐになる。

といっても、アレンテージョののんびりとした空気の中で時間をかけて作業をする。ポルトガルのコーヒーはいわずもがな、ここではカキーンと冷えたビールも60centでのめてしまう。煮詰まったらカフェにいけばいい。

ともかく、焦って「それなりのナンカ」をつくるのではなく、まっすぐに自分がやりたいことをしっかりとここで整理したい、それがここならできると今感じている。