Sunday, August 09, 2009

つばめ

Montemor-o-Novoにきてよかったと思う。驚くほどにここでは一人で、一日中殆ど誰とも会わないが、今まさにそれが必要だと感じる。
時間がある。

夜、トイレ(半屋外)にいくと、鳥の声がする。見上げるとつばめの家族(5羽)が屋根で寝ている。つばめというのは単独で飛んでいるところしかみたことしかなかったので、なるほど夜はちゃんと群れるのかとおどろく。寝ているさまはピクリとも動かず。
この元修道院の建物には、そのほかズタボロの犬が二匹(今日キッチンになま肉を五分ほど放置してライターを探しにいったらもう彼らに食われていた)、それに鳩の群れ、数百羽はいるとも思われる雀の群れも寝ている。

そして空はアホみたいに青い。

カフェにいってBifanaを食べてたら地元のおじさんたちに話しかけられる。「中国人がこんなところにナンタラコウタラ」と意味不明なことを言われるのでとりあえず「まず俺は日本人だ。」といって適当に逃げる。アア ポルトガル語がもっと喋れたらなぁ、九月からまた本腰で勉強しようと思う。

この元修道院にはちゃんとインターネットがあるので、色々ネットで見る。岡田斗司夫が高橋しんの「最終兵器彼女」を解説しているやや昔の映像があって、大学の授業のように面白く聞く。「これはエヴァンゲリオン以降の漫画で、個人の恋愛と戦争という両極端の事象が描かれながら、国家や民族というその中間が全く描かれていない」という指摘は極めて興味深かった。例えばそれはヨーロッパでもエコロジーなどといった「大きな名前」をもった事象が簡単に支持されながら、路傍のホームレスを人々が無視して通り過ぎている姿に重なる。同じ漫画を引き合いに出せば、吾妻ひでおの「失踪日記」はテクニカルにそうした状況、現在社会にいる多くの人々の目線の高さにあわせながら(具体的には受け入れられ易い絵柄を保ちつつ)、現実の社会問題に読者をうまく誘導できているように感じる。では自分に同じことができるのか?これが大きな課題である。

No comments: