Sunday, September 10, 2006

方法序説

眠るのが苦手な人が、風邪だからといって寝続けられるわけはなく、この旅の間に読み返そうと思っていたデカルトの「方法序説」に目を通す。実に中学生以来。こうして読み返してみると、発見が多く面白い。思考の流れ自体は現象学に引き続くものがあるものの、その荒さはたしかで、いかに多くの人の苦労によってその後の思索が進められてきたかが分かる。しかし彼の謙虚さや鋭さは、今の状況に対してもあながち離れているとは言えず(例えばスコラ哲学への批判は、マルクス主義に対するものとしてももちろん考えられるし)、平易な言葉で人々へ語りかけようとする姿勢も、共感を持つ。

No comments: